消極的・保守的

バイト辞めたさが一定のラインを超えてきたので、来月中に今後どう生きるか方針を立てようと決めた。小規模な場所で働きたいと思い、個人経営のお店が多いエリアに1時間くらい歩いて行ってきたが、夕方5時半まで水星の魔女のアニメを見てから家を出たので結構いろんな店が閉まっていた。一番見に行きたかった古書店には間に合ったが、現金をおろしてなかったので買う気なしで臨んでしまった。緊張感のあるお店で、本にぶつけたくなかったからリュックを前に背負って息を止めながら本を見ていた。

働きたいお店そのものを探しに家を出たわけではないんだけど(そういうつもりもなくはなかったが)、今後のためのインプットだと思うと外出にかかるお金のことをくよくよ考えないで済む気がしてよかった。人に会ったりコミュニケーションをとったりしたいという気持ちも少し高まって、大学のときの友達にラインした。一方で本当に何もしたくない、働きたくない、人に会いたくないという気持ちもかなり強くあって、なんで仕事探さなきゃ…とか思ってんの?と自分でむかついている。好きな時間に起きて好きな時間に寝たい。

 

甲斐義明『ありのままのイメージ スナップ美学と日本写真史』が自分のずっと求めてた内容の本でマジで感動しながら読んでいる。高校で写真部に入って以来、現在も外出したら漫然と写真をとっている(スマホだけど)。大学に入ってから好きになった写真と、高校で養われたアサヒカメラの月例コンテスト的なアマチュア写真美学との間でアイデンティティの置きどころをずっと悩んでいたのだが、この本は両者の関係を紐解いてひとつの歴史として振り返ってくれるのでとてもありがたい。

自分が変わったり、環境を変えたりすることが苦手だ。外へ出ていって新しい関係を作るのが怖い、という消極性と、これまでの自分をとりまいてきた価値観や美学を、良くないとかダサいとかと一蹴されたくないし、したくない、という保守性が私の中にあるからだ。たんに消極的で保守的なままでいると、新しいものや本当は憧れているものに素直に接することができず僻んでしまうから、『ありのままのイメージ』がしたみたいに、自分の中にあるものと外にあるものとをほぐして一本の線にする必要がある。

結局自分がどうするか、みたいな話になっちゃった。どう生きるにも努力しないといけなくてめんどくさい。働きたくない。